不眠症は初期治療が重要

 不眠症は通常、睡眠前に過度な緊張や興奮がある時に引き起こされます。そのような過度な興奮や緊張が収まれば、不眠症も無くなり、普通に眠れるようになります。
 ただ不眠症が独り歩きすると、不眠原因を除去した後も眠れなくなります。規則正しい生活をしようが、運動をしようが、脳が睡眠のスイッチに切り替わってくれないため、眠れません。

■不眠が続くと‘’強制鬱‘’に
  
 数日眠れないにも関わらず、睡眠負債が溜まらずに(あるいは睡眠負債を認知できず)、ただただ脳疲労が著しくなると、鬱状態になります。私自身、初めて分かったのは、鬱とは気分の問題というよりは脳の異変が引き起こす、ということです。
 こういう症状に発展すると自力での回復は難しくなり、心療内科に通って、投薬治療をする必要性が生じます。脳の興奮が引き起こしている不眠症の場合は、ベンゾジアゼピン系薬剤(睡眠薬で言えば、レンドルミンなど)が有効で、1~2週間の継続投与が必要です。 
 ここでしっかり治さずに不眠が長期化してしまうと、投薬での治療抵抗性を示し、慢性不眠に発展してしまう恐れがあります。
 ですので、初期段階では薬をしっかり飲み、不眠が解消した後、速やかに減薬、断薬するのが正しい治療方法だと思います。